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美術館

特別展「窓-歌会始御題によせて-」出品作紹介※日本画《本居宣長》

令和4年4月20日


日本画《本居宣長》 日本画家・日展参与 望月春江もちづきしゅんこう

 本居宣長は江戸後期に国学を大成させた学者です。23歳の時、医者を志して京都へ遊学、5年後郷里の松阪に帰り医者になりましたが、賀茂真淵の『冠辞考』を知り、国学に強く惹かれる様になりました。更に一晩だけ真淵と対面する事があり、真淵に師事。38歳の時から31年かけて『古事記』を研究し、44巻の『古事記伝』を完成させたのです。
 本作品は、宣長の書斎「鈴屋」で執筆に余念のない宣長を描いています。「鈴屋」は天明2年自宅を増築した、2階にある4畳半の小部屋で、研究に疲れると様々な鈴を鳴らして楽しんだといわれています。大きな窓は、御簾を上げる形のものです。
【因みに本作品は、昭和8年皇太子殿下(上皇陛下)御生誕を奉祝して制作された「国史絵画」78点のうちの1点。】

 作者は明治26年山梨県生まれ。本名・尚(ひさし)。はじめ医者を志して上京しますが、中学時代に描いた人物画を美術評論家・中川忠順に認められ画家志望に転向、大正3年東京美術学校日本画科に入学し、8年首席で卒業。同校研究科に進み、結城素明に師事。また文部省文部大臣官房図書課に嘱託として勤務し教科書の挿絵を担当。10年帝展に《春に生きんとす》で初入選。洋画的な質感表現を取り入れた写実的作品を帝展、新文展に発表。戦後は花鳥を題材に知的で装飾性豊かな作品を発表。昭和33年、前年日展発表の《蓮》で日本藝術院賞受賞。同年日展評議員(49年参与)となりました。46年勲四等旭日小綬章、53年紺綬褒章。54年逝去。

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