特別展 式年遷宮と日本伝統工芸-不変のフォームと古からのアート-
令和6年1月1日
神宮で行われる20年に一度の式年遷宮では、神宝が新調され天照大御神に捧げられています。神宝は国産の貴重な素材を用い、高度な技術を体得した工匠(たくみ)によって古式に則り厳然と製作されます。工匠たちは時代を経るごとに大きく変化する産業構造や社会生活にも柔軟に適応し、当代の美意識に沿った作品を創り上げ、いにしえの技を守り続けてきました。
わが国ではこうした伝統工芸技術を文化財保護法で無形文化財と定義しています。日本工芸会は同法の趣旨に則り、その保護育成を図ることを目的として重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)をはじめとした工芸作家を中心に設立されました。同会が主催する日本伝統工芸展では当代随一の作家による創造と今日の生活に即した優品の数々が見られ、本年度は第70回の佳節を迎えました。
本展覧会は、今回の日本伝統工芸展の出品作を厳選して展示し、将来へ受け継がれるべきわが国の工芸の粋を見出して頂ければ幸いです。また神宮美術館の開館30周年の記念として、これまでの敬神の念あふれる崇敬者からの奉賛と名匠・名工に支えられた式年遷宮の神宝調製についても思いを馳せて頂くことを企図しています。
会 期:令和6年3月15日(金)~4月17日(水)