20年に一度、正宮に隣接する御敷地に新宮を建て、大御神をお遷し申し上げる神宮式年遷宮。
神宮美術館には遷宮を奉賛して当代最高の美術・工芸家から奉納された作品を展示しています。
芸術を通して敬神の念を表された方々の作品をご覧ください。
式年遷宮記念神宮美術館は、平成5年の第61回神宮式年遷宮を記念して創設されました。文化勲章受章者・文化功労者・日本芸術院会員・重要無形文化財保持者(人間国宝)が式年遷宮を奉賛して伊勢神宮に奉納された絵画・書・彫塑・工芸を収蔵・展示しており、当代美術の粋を一堂のもとに鑑賞できる美術館として注目されています。今後も崇敬の精神を伝える構想から多彩な秀作の奉納を受け、我が国の美術工芸のあゆみを展望できる美術館を目指しています。
絵画は、日展・院展・二科会など諸会派をこえた作品の数々、書は豪壮な筆使いの作品・繊細な仮名文字・緻密な篆刻など作家の個性が表れた様々な作品を鑑賞することができます。工芸は、陶芸・金工・木工・染織・竹工など伝統技術の伝承と芸術性を極めた現代の名匠たちの競演。また、展示廊では四季の風景とともに彫塑の作品を間近でご覧頂けます。
神宮美術館の建物は大江宏の設計により「勾配屋根をもつ、日本の伝統をふまえた現代建築とする」という基本理念に基づき現代を代表する和風の美術館として建設されました。ゆるやかなカーブをした勾配屋根、四つの主屋が中庭を囲んで廊下でつながり、各所から中庭を臨むことが出来ます。館内の広い窓から一望できる庭や四季折々の草木。神宮の美術館にふさわしい自然との調和に配慮した現代建築です。